カシュガイ女性が結婚する際、自分で織り上げたギャッベを2〜3本嫁入り道具として持って行く伝統的な習慣は今も受け継がれているそうです。ギャッベがもつ魅力の源のひとつがそこにあるといえます。若い女性は新しい家族と共に築いていく生活が幸せであるようにと願う気持ちを、ギャッベの中に、文様として織り込んでいきます。「経済的に困らぬように、いつまでも家族が健康でいられる様に、そして、家族が繁栄していく様に…」。
ギャッベが、初めて出逢ったのに直感でビビッと感じられるのは、女性たちの幸福を願う温かな気持ち、民族や文化を越えた女性の母性本能への共感がそうさせているのでしょうか。母親の懐に抱かれる様な空間をギャッベが造り出しているのでしょう。
本物のギャッベは手紡の羊毛を、天然染料を用いて草木染めして使っています。地面に対して水平に置かれた地機(ぢばた)に、人が歩いて渡れる程に縦糸を強く張り、それに1本づつ糸を結んでいく。気が遠くなるような作業が続けられる。
結び糸を2段結んでは横糸を通してシャーネと呼ぶ金具で打ち込み、ギャッベの織りを絞めていく。この打ち込みの具合によってギャッベには多少のゆがみが生じます。
私たち日本人は、車にしろ家具にしろ、シンメトリーの物であったり、完璧な物に囲まれて生活している。
それに相反して、多少のゆがみをもち、未完ともいえるギャッベは、心に「ほっ」とできる何かを残してくれる。これこそが、ギャッベの魅力になっているのでしょう。
< アートギャッベ >200枚展開催まであと日です。お楽しみに!
【予告】 2012年新春<アートギャッベ>200枚展開催決定!
【期間】 2012/1/7(土) ~ 1/15(日)
【場所】 和田山竹田家具ギャラリーコーナー
【営業時間】 10:00~18:30 (イベント期間中、水曜日は営業致します。)
- 2011年12月27日
- アートギャッベ
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