木のはなし
【木質系材料と天然木無垢材】
かつて、無垢の木材が「時代遅れの素材」と思われていたころ、木を新しい技術で加工し、工業材料のレベルに近づけることが「進歩」とされていました。その結果、エンジニアリングウッドと称する木質系材料が続々と誕生。狂う、腐る、傷がつく・・・といった従来の木材の弱点を補い、大量供給に応じる事のできる新建材として、大いに役立てられてきました。 しかし一方で、このような木質系材料の登場により、あらためて無垢の木材の素晴らしさが見直されるようになったのは、当然のことかもしれません。木を構成する細胞の一つ一つは、寒い土地では寒さに耐えるように、雨の多い土地では湿気に強いように、微妙な仕組みに作られています。それは、人間の知恵など到底及ばない、生命の神秘といえるものでしょう。 近年、昔ながらの木の住まいが人気を集めているのは、木の細胞に備わったそれらの特性が、快適な住み心地をもたらしてくれるということに、多くの人が気づきはじめています。そして、同じく生き物である木で構成された空間は、私たちに深いやすらぎを与えてくれるはずです。 木質系材料と天然木無垢材、その違いを、私たちは生き物としての根源的な感覚で知っているのです。
【天然木無垢材のあたたかさの理由】 鉄やコンクリートなどにふれた時、ヒンヤリとした冷たさを感じます。これは、物質に人間の体温が伝わり、ふれた箇所から熱が急速に逃げていくためです。これに対して、無垢の木材には、ふれることで感じる温かさがあります。木の優れた断熱性は、私たちの体から必要以上に熱を奪うことがありません。 無垢の木材が熱を伝えにくいのは、その構造が小さな細胞の集合体であるためです。それらの空洞の中には、熱の伝導を妨げる性質を持つ空気がたくさん含まれていることから、木は鉄の330倍、コンクリートの10倍ともいわれる高い断熱・保温効果を発揮するのです。木の床などに腰を下ろすと、冬でもぬくもりが感じられるのはそのためです。
【天然木無垢材がもたらす癒し】
森の中に入ると、爽やかな空気が広がり、かすかな香りが満ちていることに気付くでしょう。この香りの正体がフィトンチッド。木などの植物が発散する揮発性の物質で、心身をリフレッシュさせ、抗菌、防虫、消臭などの効果をもたらしてくれます。 また、渓流や滝のある森には「空気のビタミン」とよばれるマイナスイオンが充満しています。マイナスイオンは、水が飛び散ったり、風が吹いたりした時のエネルギーにより、空気中の電荷がマイナスになることによって生じるもので、体内に取り入れることでリラックス効果を促進してくれます。室内においても、コンクリートなどの工業材料よりも、呼吸する無垢の木材でできた空間のほうが、空気中のマイナスイオンの割合が高いことが分かっています。 わたしたちは、日々の暮らしの中に、身近な自然である木の家具を取入れるだけで、さまざまな快適効果を感じることができるはずです。
【天然木の香りがもたらす快適空間】 無垢の木材には様々な化合物が含まれており、樹種ごとに特有の香りを作り出しています。香りの成分のうち最も多く含まれているのが、テルペン類と呼ばれる揮発性の成分です。かすかに漂い続けるその香りは、ストレスや不安をやわらげる心理的作用のほか、軌道の働きを良くする効果や血圧を下げる効果なども認められています。 また、木の香り成分には、アレルギーの原因となるダニやカビの繁殖を抑える働きもあります。心地よい木の香りは、現代のストレス社会において気分をリフレッシュさせるだけでなく、清潔で快適な室内環境を維持するためにも大いに役立ちます。
【安らぎをもたらす天然木の効用】
無垢の木材は、視覚的にも優しさを感じさせてくれます。原木から伐り出された断面は、表情がひとつとして同じものがありません。木目の模様や木肌の色の濃淡などには「1/f ゆらぎ」とよばれる動きのパターンがあり、これが人の目に心地よい刺激を与え、気分をリラックスさせてくれます。さらに、木材の表面にあるミクロの凹凸は、太陽や照明などの強い光を分散し、人の目に最も心地よいとされる反射率50~60%にまで抑えてくれます。
九月、竹田家具の店内は森になります。
『 秋の一枚板展 』
【天然木無垢板各種50枚以上展示】ウォールナット・ブラックチェリー・オーク・ねむの木・栃・タモ・ケヤキ その他多数ご用意致しております。
【開催日】 九月一日~九日
【場所】 和田山 竹田家具
【お問合せ】 079-672-3456
【営業時間】 十時~十八時半
- 2012年09月06日
- 一枚板
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